興国寺(長い鼻の影)


地元では開山(かいさん)と親しまれる「興国寺」
大門から長い石畳の参道が中門まで続きます。
現在(昭和61年から)は臨済宗妙心寺派ですが、当初は高野山金剛三昧院の僧、願生により安貞元年(1227年)に源実朝の菩提を弔うために真言宗「西方寺」として創建され、正嘉2年(1258年)には法燈国師(ほっとうこくし)が禅宗に改め、その後、興国元年(1340年)に後村上天皇から「興国寺」の寺号を賜ったとのことです。

階段の上の中門からたくさんの鬼面が迎えてくれます。

   
法堂前の美し松と蘇鉄の広々とした庭です。
 

寺紋は「笹竜胆(ささりんどう)」



興国寺は「尺八」 「虚無僧」 「金山寺味噌」 「醤油」の発祥の地と言われています。

法燈国師は自ら尺八を吹いただけではなく寺に虚無僧4人を住まわせ、
その4人の一人、虚竹禅師が尺八の元祖と言われています。
また、各地への布教の際に金山寺味噌の製法を伝えたことから醤油の誕生のきっかけとなったとも言われます。

 
鎌倉時代から続く毎年8月15日の夜9時頃から行われる火祭りにも虚無僧が登場です。

   天狗堂と天狗
天狗堂の入り口を入ると電気がついて明るくなります。
上からの照明なので天狗さんの長い鼻の影が顎の下まで伸びることになります。

慧日大姉は法燈円明国師の母の法号、慧日供養塔と慧日観音像
解説板には「ははよはは ははをたたえん ははのてら わしのみやまに ははをたたえん」と書かれていました。
この慧日大師のお世話係だったという女性が湯浅町の出身だったということが湯浅で醤油が造られるきっかけになります。




  
火ではなく水を口から噴き出す龍を肩に乗せている竜王像

 

庫院


由良守応(もりまさ)墓石
由良守応は興国寺の寺侍の家生まれ、紀州藩の郷士。
坂本龍馬の天満屋襲撃に参加
維新で岩倉使節団に加わりヨーロッパへ
日本で最初に馬車を走らせる(馬車会社「千里軒」)


地面に置かれた鬼瓦には真言宗輪宝の紋様
当寺が真言宗の頃のものと考えられ、かなり古い!!