どんぐり(クヌギ)
どんぐりといえば、クヌギ〈ブナ科コナラ属〉が代表ですが、 〈クヌギは栗似樹・・・栗に似た葉っぱから〉 |
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![]() クヌギの花 |
![]() クリシギゾウムシの脱出孔 |
![]() クリシギゾウムシの幼虫 |
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上のクヌギとそっくりのアラカシ〈ブナ科コナラ属〉ですが、 帽子(殻斗)が花びら状と土星の輪状の違いがあります。 〈アラカシは粗樫から〉 |
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ドングリは普通は渋くて食べられませんが、イチイガシはそのままで美味しく食べることができます。
〈右画像の実は8月頃でまだ未成熟ですが、アラカシと同じような土星の輪は帽子になり、先端の実はどんどん大きくなってきます。〉 |
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![]() イチイガシの花 |
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![]() キーホルダーになってしまったマテバシイと、 その下にシリブカガシとコジイ(ツブラジイ) |
![]() シリブカガシの幼果 |
美味しく食べられるマテバシイが憧れる待てばなるという黒くて小さな椎シイの実 |
三重県尾鷲市のYさんから質問をいただきました。 このページ(ドングリ)を補完するため転記します。 〈質問〉 |
〈回答〉 参考にして下さい。 豊凶は、その樹木の持っている周期や花芽が形成される前年の気候(温度、日照、降雨)等が大きく影響していることはご存じだと思います。しかし、ご質問のアラカシは明らかにドングリが少ないという年がなく、よく実を着ける樹の一つです。昨秋はコナラなどが凶作の年でしたが、アラカシはたくさん実を着けていました。アラカシが常緑樹であることがポイントかもしれません。 ただ、三重や和歌山のように台風がやってくる地域では、強風に実を落とされ、秋に少なくなってしまうことや、庭木や街路樹では、剪定や陽陰により花芽が形成されなかったりする場合が考えられます。 詳しくは、アラカシの実が大好きな照葉樹林の鳥”カケス”さんに聞いてみて下さい。 和歌山の花と虫 |
〈質問〉 ブナ ミズナラ コナラのドングリの栄養価とアラカシのドングリの栄養価どれぐい違いがありますか?〈2005/2/4〉
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〈回答〉 あいにく、どんぐりの栄養分析のデータの持ち合わせはございません。 以下は私の考えです。 アラカシを含め、どんなドングリも植物の卵ですから、良質のデンプンと多くのミネラル・脂肪分が含まれた最高の食物だと思います。 ドングリには芽になる部分と、動物に食べてもらう部分があって、渋み好みでアクを気にしないカケス、リス・イノシシなどに食べてもらいやすくなっています。このことで親木と競合するような近くで発芽しないよう、遠くへ運んでもらえるのです。(そして、芽の部分が傷つかなければ、発芽します。) また、ドングリを集めて、袋や段ボールにたくさん入れておくと、「和歌山の花と虫」の画像の椎の実のようにとってもたくさんのゾウムシの幼虫などがでてきます。 このように、ドングリは植物だけでなく、動物にとっても命を育む貴重な栄養源です。アラカシももちろん同じだと思います。 アラカシを食用にならないかとご検討のようですが、このためには水に晒すなど大変なアク抜きの手間と、乾燥すると割れてきたり、湿気を持たせると秋から根がでてきたり、虫食いが多いなど保存が難しい面が考えられます。このことは、芽になる部分以外は長期の保存が出来なくても大丈夫というドングリ(アラカシ)の都合です。 もし、美味しく食べられたらその方法など教えて下さい。 やがてやってくる食糧危機の対策になるかもしれませんね。 和歌山の花と虫 |
ドングリの成分データをお送りします。(2005/3/2)
(ブ ナ) 炭水化物19.2%、粗タンパク質25.2%、粗脂肪39.1%、タンニン−% (ミズナラ) 炭水化物64.6%、粗タンパク質4.6%、粗脂肪1.1%タンニン6.7% (コ ナ ラ) 炭水化物64.2%、粗タンパク質2.9%、粗脂肪1.7%、タンニン4.8% (アラカシ) 炭水化物52.7%、粗タンパク質1.8%、粗脂肪1.9%、タンニン4.4% ブナが他のドングリと比べて、タンパクや脂肪が随分多いようですね。 |