馬鹿にできない(ニホンシカ)

 

鹿の数は闇夜に数えます。その方法をスポットライトセンサスといいます。

大台ヶ原トウヒのだけでなく、植栽されたスギやヒノキなども鹿の食害で農林業に大きな被害が出ています。
この鹿の密度を推定するため鹿の数を調査しますが、その時に使うのがライト。
サーチライトで照らされた鹿の目が光るのでそれを数えるのです。

目が光るのは、ほ乳類の網膜の外側にある輝板(タペタム)に、ライトの光が反射するため、これは眼に入ってきた弱い光を増幅するはたらきで、人間にはありません。

 何でも食べてしまう鹿ですが、アセビだけは毒があるので食べません。
アセビは馬酔木と書かれ、葉や茎に呼吸中枢を麻痺させるアセボトキシン(asebotoxin)という成分がふくまれています。
これを食べた馬は足がふらつき、あげくには昏睡状態におちいることもあるらしい。

 馬鹿といいますが、このことを知っている鹿は馬と同一には考えられません。また、その生息密度の濃さも馬鹿にできません。

 ちょうちん咲きで花びらが開かないアセビ

どんな様子なのか知りたくて、提灯のように下向きに咲くアセビを下から覗いても・・・。
 それで、左のようにちょっと剥いでしまいました。〈ゴメンなさい〉

 

下段左、萼が緑じゃなく紅のものもあります。花の時期(3月終わり)に中央のような実も着けていました。
そして、右のようにもうすぐに紅い新芽の季節になります。

鹿も食べないアセビですが、ツツジ科を食草とするヒョウモンエダシャクには大好物です。

班の色は違っても、鹿の模様と似ているようでおもしろいなあって思います。

3歳
山中の沢を歩いている時に見つけた鹿の角です。
冬の間に抜け落ちるため、春に見つけることができます。
雄だけにしか生えてきませんが、鹿の年齢がわかります。
歳でパイプのような角
2歳で二つに枝分かれ
3歳で三っつに
4歳以上は四っつ

この角を樹木に擦り付けて研いだりするため、樹皮が剥がされているのも見かけます。

4歳以上
地面から角が突き出てって思ったら
これはマムシグサ

もう少し伸びると右のようになります。

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