吉宗を呼ぶ声が?(フウノキ)

秋も深まったある日、フウノキの下でジイーーーーと大きな鳴き声がします。

見つけたのが左画像。鳴いてなければ完璧な葉隠れ術でした。
そして、サナギの鳴き声は尻尾で繭を激しく擦る震動音でした。
羽化を待つだけのサナギにとっては、エネルギーをロスするだけの無駄鳴きのように思いますが・・・。

〈ナンキンキノカワガのサナギには、反り返った尾っぽ、繭の尾っぽ側には堅い筋がありました。〉

サナギから蜂が出てきました。


サナギが鳴いたのは、寄生蜂に刺された痛みからのものか?
寄生蜂とともに捕殺されるという自己犠牲を試みたものか?
仲間に寄生蜂がいることを知らせる警戒音なのか?
はたまた、寄生蜂に居所を教えたのか?


疑問は解けませんが、いずれにせよサナギが吉宗を呼ぶように鳴くということに遭遇し。一匹が死に、一匹が生まれました。

食い破られたお尻の部分

楓の樹は、昔の中国では天子の住まいである宮殿の中だけに植えられる秘木とのこと。
この由緒を知った8代将軍吉宗が清国から3本取り寄せ、江戸城内(現皇居)、日光東照宮(家康を祀る)、上野寛永寺(徳川家菩提寺)に植えられたのが日本最初の楓の樹。

日光東照宮のフウノキは幕末までに枯れてしまい、昭和58年に皇居の種子から再現されています。
このとき、苗木育成に関わったのが栃木県林業センターで、
そこにも植樹されてたその1本を和歌山県が譲り受け、
平成10年に移植されたのが吉宗ゆかりの楓の木〈和歌山県林業試験場内〉


秋の紅葉



この樹だけですが、この紅葉が芽吹きの頃まで残っています。
〈受験のお守りにどうでしょう〉


芽吹き

夏の実

葉っぱは吉宗の陣羽織です。

キジュのページへ       ヒロハホウキギクのページへ